そう、巷で話題の「裏・桃華」ですな。ちなみにテキストは以下の様になっています。
このカードはカードの効果でスクエアに置くことができない。あなたのエネルギーかあなたの捨札に「西澤桃華」がないか、「♂」の味方がいないなら、このカードはプレイできない。
まず、これの機能を「エネか捨札に西澤桃華か野郎キャラがいないとプレイできない」と勘違いしている人がいますが、それは間違い。理由は簡単で味方と言う言葉が指すのはバトルスペースに出ているユニットだけだからです。エネか捨札に味方がいるって状況はありえないんですな。
その上で意見が割れているのが、このカードは「西澤桃華がエネか捨札かにいて、かつ野郎キャラが場にいる時にのみ使える」のか、「西澤桃華がエネか捨札かにいる時か、野郎キャラが場にいる時かのどちらかの時に使える」のかって話なのですが・・・ちょっと考えてみましょう。
「西澤桃華」がないか、「♂」の味方がいないなら、このカードはプレイできないって言うこの文章は、
『「西澤桃華」がない』あるいは『「♂」の味方がいない』ならこのカードは『プレイできない』
と言う風に解釈する事ができます。と言う事は、
「西澤桃華」がないなら→プレイできない
「♂」の味方がいないなら→プレイできない
って言う風に分解されます。それを踏まえて考えてみると、
エネか捨札に「西澤桃華」がないけど「♂」の味方がいる→「西澤桃華」がないと言う「プレイできない条件」に引っ掛かってしまうからプレイできない。
エネか捨札に「西澤桃華」があるけど「♂」の味方がいない→「♂」の味方がいないと言う「プレイできない条件」に引っ掛かってしまうからプレイできない。
と言う風になる訳ですな。ううむ、ややこしい数学の問題みたいになってしまったぞ・・・(笑)
(ってか、もしかしてコレって元テキスト英語で書いてません?>中の人。自分も論理学とかはあんまし得意じゃないのですが、英語的な解釈をするとこう考える事になる訳で・・・にしてもやっぱり日本語は曖昧過ぎてTCGのテキストを書くには難しい言語ですな)
そいでは次。そんなに難しくはない話ですが、ちょっと質問を受けたのと、現状のルールで確実に答えられる問題なので取り上げてみます。
「峰不死子」自身が3枚目のスマッシュだった場合、希望は発生するんですか?
テキストは以下の通り。
希望(スマッシュから反撃!)あなたのスマッシュが3枚以上なら、自分のスマッシュを1枚まで選び、捨札に置く。
これは「します」ね。理由は、総合ルールのスマッシュ判定の辺りを読めば分かるかとは思いますが、簡単に言うとスマッシュされて1000点以上のダメージが発生した場合、
1.表向きにスマッシュに置かれる
2.希望が発生する
3.スマッシュが裏向きになる
4.スマッシュが7枚たまってたら負ける
って順番に処理する事になるからです。
以下に総合ルールの該当する部分を引用します。
第18 章 希望ステップ
1.まず、ダメージを受けたプレイヤーは、自分の山札の1番上
のカードを、自分のスマッシュゾーンにリリース状態で表向きに
置きます。スマッシュゾーンに表向きで置かれたカードが能力
「希望」を持っている場合、そのカードの支配者のエネルギーゾ
ーンにそのカードと同じ色のカードがあり、かつそのプレイヤー
のエネルギーゾーンに希望を持つカードのレベル以上の枚数の
カードがあるならば、「希望」の効果を解決します。「希望」は特
別な行動であり、解決にはバンクを使用しません。その後、非ア
クティブプレイヤーに優先権が発生します。
第19 章 回復ステップ
1.スマッシュゾーンに表向きで置かれているカードを裏返しま
す。続いてそのプレイヤーのダメージを1000 回復します。その
後、非アクティブプレイヤーに優先権が発生します。
ちなみにこのカードに於いてもう一つ想定されるFAQとしては「6スマある時に食らったスマッシュでこれがめくれたらどーなるの?」があると思うのですが、これに関しては総合ルールにそのまんまな例があるので、これを引用しておきます。根拠に関しては上記の引用部分を参照で。
【例】相手のスマッシュは6です。あなたは中央エリアにあるS
P1000 のユニットでスマッシュしました。希望ステップで、相手
の「あなたは自分のスマッシュを1枚選び、捨札に置く」という
効果の希望が発生し解決されました。回復ステップで優先権が発
生した時点では相手のスマッシュは6なので、デュエルは続行し
ます。
(多分、この「死にかけだけど希望で持ちこたえたぜー」状況がやりたかったが為に希望判定をあんなにややこしいデザインにしてるんでしょうから、ルールを見なくても「これはこうなるんだろうなぁ。」って気分にはなりますけどね 笑)
4 件のコメント:
はじめまして。北海道のsaintearという者です。
事後許可で恐縮なのですが、昨日知人等に間違ってルールを教えてしまったのですが(峰不死子などの回復希望について)、こちらの記事を見て間違いに気づきました。
ですので、告知等の意味合いを含めて、自分のブログ(http://cardgame.exblog.jp/)にこちらのサイトへ記事中からリンクを貼らせて頂きました。
不都合がありましたら、ご連絡くだされば即座に削除いたします。
それでは、失礼いたします。
はじめまして。間違ったルール解釈が独り歩きする前の素早い訂正記事に一ジャッジとして感謝致します。
サイトはリンクされる物と言うのが自分の主義なので、全然OKですよ。むしろ、引用をされる場合はリンク張ってもらいたいなぁまであるので。
なんか「ら」抜き言葉を注意する人みたいでちょっと気が引けるのですが、
>>日本語は曖昧過ぎてTCGのテキストを書くには難しい言語ですな
曖昧なのはテキストを書いた人の能力であって、日本語にあるわけではないと思います。そうでないと仲間同士でテキストやルールについて意見を言い合う時に日本語を使うことができなくなってしまいます。
む、誤解をされたなら申し訳ないです。「日本語が曖昧でいけないねぇ」って言うのは英語に比してです。後、ここで言っているのはカードテキストと言う
「決められた文字数の中に頑張っておさめなければならない」
上に
「読み手側に解釈の余地を持たせてはならない」
物を
「書く時」
の話なので、日本語でテキストやらルールやらの話をするって言うのはまた別問題ですよ。
自分はMTGからTCGに入って、他の英語のTCGも遊んで来たのですが、英語だとフツーに分かるテキストなのに日本語だと訳が分からなくなると言うのは時折ありまして・・・。
日本語と言うのは、自然な日本語でテキストを書こうとすればする程、ユーザに解釈の余地を与えてしまう程度には曖昧な言語だと自分は考えています。
例えば、MTGには以下の様なテキストを持つカードあります。
Change the target of target spell with a single target.
これに対する日本語訳は二つあります(と言うか途中で日本語訳が変わった。今では新テキストの方が正式)。
旧:対象の単一の対象を持つ呪文1つの対象を変更する。
新:単一の対象を持つ呪文1つを対象とし、それの対象を変更する。
新しい日本語訳は翻訳調ではありますが「何を対象とするのか」がはっきりしている様には思えませんか? 逆に古い日本語訳の方が日本語としては自然ではありますが、ぱっと見て「何を対象とするのか」がちょっと分かり辛いのではないかと思います。
こう言った曖昧さを回避する為に必要なのは「作り手の能力」と言うよりは「いかにテンプレートを整備するか」にかかっています。「誰がカードを作ってもこのテンプレに沿えばユーザに誤解される事はないぜ!!」と言う物を作って運用できれば良いのですが・・・なかなか完璧な物を作るのは難しい物です。
願わくば、今回の件を教訓として多少でもテンプレートに手を加えて頂ければ良いのですが・・・。
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